便に血が混じる

血便とは、血液が混ざった状態で排泄される便のことです。目視で異常をはっきりと確認できるレベルであり、出血部位により色が異なるのが特徴です。血便は急に出るため、驚いて病院に駆け込まれる方は多いです。重大な病気のサインの可能性もあり、注意すべき症状のひとつです。

症状の特徴

タールのような黒い便
真っ赤な便（鮮血）　など

まずは診察前の問診票にお答えください。

出血がどこで起きているのかを特定するために、便の具体的な形状や排便の様子をお答えください。「いつから」「痛みはあるか」など、お気づきの点を可能な範囲でお答えください。
（例）いつから／どのような形状（色・形など）／排便の際の痛み／今までにかかった病気の有無／現在服用している薬の名称など

黒い便と赤い便

胃・十二指腸・小腸の上部などで出血が起きている場合には、タールのような真っ黒な便が出ます。消化されてゆく過程において、酵素の影響で血液が酸化し黒くなるからです。一方、肛門に近い部位からの出血は鮮血のため便が赤くなります。便の色の違いによって、出血部位の大まかな場所が特定できます。

診察室にて細かく状況をお伺いします。

問診票をもとに、より詳しくお話しをお伺いします。わかる範囲で結構ですので、お感じになられている症状やお困り事をできるだけ詳しくお話しください。医師からもいくつかのご質問をさせていただきます。

（例）出血の程度（血がポタポタとたれる・便器内が真っ赤になる・拭いた際に紙につく程度など）／痛みの頻度（排便のときだけ・常時痛い）など

あなどれない痔の出血

出血の原因が痔にあることは多いです。痔の場合は、真っ赤な鮮血を伴います。ポタポタとたれるほど出血したり、便器内が真っ赤に染まることもあります。痔は早期ほど薬で治療できます。ご自身では痔を軽く捉えがちなものですが、日々の診療現場においては「痔だと思っていたものが、実は直腸がんだった」と判明することも決して少なくありません。もちろん、痔も程度がひどくなれば手術が必要となります。痔であろうと他の疾患であろうと、“どこかで出血している”という事実は同じですので、まずは正確に調べることが大切です。

トラブルが起きている部位とその程度を確認するために必要な検査を検討します。

胃や食道や小腸などの腸の上部での出血が疑われる場合には、胃カメラやカプセル内視鏡を用いた詳細な検査を検討する必要があります。血便はがんなどの重大な病気が隠れている可能性があります。当院では検査予約もスピーディに行えます。

出血の放置はＮＧ！

血便がみられるということは、身体のどこかで出血している部位があるということです。放置し続けると、出血多量により貧血を起こすことにも繋がって大変危険です。便の異常は“身体に異常がある”という重大なサイン！すぐに適切な検査や治療を受けることが肝心です。

必要となる治療を開始します。

出血の原因によって治療法が異なります。例えば、潰瘍による出血の場合には、薬物療法が有効です。ポリープやがんは切除手術が必要となります。痔の場合は種類によって最適な治療法が異なります。当院ではできるだけ短期間で改善を図る治療に努めています。